久留米大学・医学部消化器内科部門:中野 暖 先生のiMPAQTとメタボロミクスを使った研究論文がPLoS One誌に掲載されました

久留米大学・医学部消化器内科部門の中野先生、川口先生らは、SGLT2( sodium glucose cotransporter 2)阻害剤であるCanagliflozinが、肝細胞がん(HCC)においてその増殖能を抑制し、同時に特徴的な代謝リプログラミングが生じることを見出しました。

Nakano D, et. al., Effects of canagliflozin on growth and metabolic reprograming in hepatocellular carcinoma cells: Multi-omics analysis of metabolomics and absolute quantification proteomics (iMPAQT)., PLoS One. 2020 Apr 28;15(4):e0232283.

同一サンプルをプロテオミクス(iMPAQT)とメタボロミクスで解析し、糖尿病治療薬であるCanagliflozinが肝細胞がんの酸化的リン酸化代謝、脂肪酸代謝、プリンおよびピリミジン代謝を変化させ、がん増殖を抑制するメカニズムについて解明しています。

タンパク質と代謝物を網羅的に解析することで、がんに対する薬剤効果機序の全体像を捉えることに成功した研究事例です。