リピドミクス 受託解析

リピドミクス 受託測定サービス

概要

リピドミクスとは、生体内の脂肪酸、中性脂肪、リン脂質などの脂肪成分を網羅的に分析し、バイオマーカーの探索や脂質代謝、薬の作用の機序解明を行う技術です。KPSLでは、高分解能に優れたLC-MSで広範囲の脂質成分(リピドーム)を測定し、独自に開発したプログラムにより、お客様のニーズに合った解析を提供致します。

特徴①

脂肪酸からトリグリセリドまで幅広い脂質を測定します

LC-MSを使用し、脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、リン脂質、カルニチン類、脂肪酸エステル、胆汁酸、コレステロールエステルなどの幅広い脂質を網羅的に分析します。

マウス肝臓脂質 分析例

特徴②

200種を超える脂質代謝物標品と照合します

約200個を超える標準脂質代謝物のデータベースを保有しており迅速に照合結果を提供します。脂質データベースの登録数は順次増加しております。

代謝物+脂質リスト(64.03 KB)

特徴③

マクロ機能を有するエクセルデータ

独自に開発したプログラム「Marker Analysis」による解析結果を、マクロ機能を付与したエクセルデータとして、お客様に提供致します。Box plotやPathway analysisなど、様々な解析ツールがご利用できます。

原理

QTOFの原理

試料中の成分をLCで分離し、四重極飛行時間型質量分析装置(Quadrupole Time of flight  : QTOF-MS) で分析を行います。

QTOF-MSは、高選択性を持つ四重極と高分解能に優れたTOFを組み合わせたものであり、質量電荷比m/z値が異なるイオンの飛行時間の違いを利用して質量分析を行います。分離された成分はイオン化され、QTOF-MSの四重極およびコリジョンセルを通り、イオンパルサへ導かれます。イオンパルサから出たイオンはフライトチューブを通過し、イオンの質量が小さいほど検出器に速く到達します。このとき測定したイオンの飛行時間をm/zに換算し、各成分の定量・定性を行います。

リピドミクスでは、QTOF-MSの高分解能を利用し、200種を超えるの脂質代謝物を一度に分析することができます。

 

前処理:ブライダイヤー法の原理

ブライダイヤー法とは、溶媒の極性の違いによる二層分配を利用した脂質抽出法です。

生体試料にクロロホルム、メタノール、水を一定量加え、遠心機にかけると、上層(水-メタノール層)と下層(クロロホルム層)に分離します。リピドミクスでは、脂質成分を含む下層をLC-MSで測定します。短時間で簡単に、多様な脂質成分を抽出することができます。

また、ブライダイヤー法では、リピドミクスとメタボロミクスの同時解析が可能です。

分析例

糖尿病モデルラットの脂質代謝物をQTOF-MSで定量し、解析プログラム「Marker analysis」で代謝マップを作成しました。代謝マップでは糖尿病モデルとコントロールとの脂質代謝物の変動を見ることができます。

※異性体の表記について

18:2/18:2/18:2 TGは脂肪酸(18:2)を3本有するトリグリセリドを示します。この異性体には、鎖長および二重結合の位置が異なるものが存在します。

①鎖長が異なるもの
  例)20:2/16:2/18:2 TG
    22:2/16:2/16:2 TG など

②二重結合の位置が異なるもの
     例)18:3/18:1/18:2 TG
       18:3/18:0/18:3 TG など

これら異性体はLC-MSによる分析が困難なため、KPSLではこれらの異性体の合計量をTG(54:6)と表記して表します。

測定機器・施設

測定機器:Q-TOF型質量分析装置6545,6546(Agilent Technologies社製 )

実施施設:株式会社LSIメディエンスにて実施します。

測定サンプル

血漿(血清は要相談)、組織(脳、筋肉、心臓、肺、肝臓、腎臓など)、培養細胞、酵母、菌類など

※メタボロミクスとは異なり、尿および脳脊髄液は測定できません。

※そのほかのサンプルについてはお問い合わせください。

サンプル調製

<血漿>

採血管

EDTA-Na, K およびヘパリン血漿(それ以外はお問い合わせください)

処理

採血後すみやかに攪拌し、2000~3000 rpm,4℃,10~20 min遠心します。上清をマイクロチューブ(エッペンチューブ)に移し、速やかにドライアイス、または-80℃フリーザーにて凍結します。
マイクロチューブには略号、または番号を記入ください。サンプルの群名、およびどの群とどの群を比較するかをご指示ください。

必要量

500 µL

保存

-80℃

<組織>

処理

組織摘出後、すみやかに液体窒素につけ凍結させ、-80℃で保存ください。事前に、KPSLから粉砕用のチューブを送付させていただきます。(お客様の方でマイクロチューブ(エッペンチューブ)をご準備いただくことも可能でございます。)
凍結組織を100~200 mgの大きさに粉砕し、重量を測定後、送付した指定のチューブに入れてください。
チューブには略号、または番号を記入ください。サンプルの群名、およびどの群とどの群を比較するかをご指示ください。

必要量

200 mg以上

保存

-80℃

<培養細胞>

処理

細胞上清を一度捨て、PBSを加えて細胞を洗浄後、細胞をかきとりマイクロチューブ(エッペンチューブ)に移してください。その後、速やかにドライアイス、または-80℃フリーザーにて凍結します。
マイクロチューブには略号、または番号を記入ください。サンプルの群名、およびどの群とどの群を比較するかをご指示ください。

必要量

107個以上

保存

-80℃

価格

お問い合わせください

納期

検体受領より1カ月

納品物

電子データ(Excel)およびレポートを提出いたします。

※解析結果については、Web会議等で直接説明させていただきます。

※リピドミクスでは、比較定量値(群間の増減率)を報告します。

問い合わせ

リーフレット

リピドミクス(976.76 KB)