高感度マルチイムノアッセイ 測定受託サービス

ECL法マルチプレックスアッセイ(高感度イムノアッセイ)測定受託サービス

概要・特徴

電気化学発光法(ECL : Electrochemiluminescence法)は、メソスケールディスカバリー(MSD)社のMULTI-ARRAY TMシステムにより単一または多項目を同時に定量できる技術です。ECL法はELISA法よりも高感度でダイナミックレンジが広く、少量のサンプルで1項目から多項目を測定されたい方におすすめです。

V-PLEXを用いた多項目同時測定では一度の測定で複数項目の結果が得られるためマルチな解析が可能です(マルチプレックスアッセイ)。

S-PLEXを用いた超高感度測定ではfg/mLレベルでの測定が可能となり、低濃度のためにこれまで定量が難しいとされてきたサイトカインが検出できるようになりました。一部の炎症性サイトカインでは、超高感度かつ一括測定が可能となりました。

ご希望の測定項目から、最適な測定方法を選択・ご提案し、測定を実施いたします。

1.V-PLEXを用いたマルチプレックスアッセイ

ポイント:多種のサイトカインを同時に測定可能(多項目同時アッセイ)

原 理

基本的な原理はELISA法と同様であり、検出にECLを用います。

まずプレートに固相化したCapture 抗体と分析試料を反応させます。次にSULFO-TAG標識抗体(ルテニウム錯体)を添加し2次反応させ、プレート底面に電気を流すことで化学発光強度を測定する技術です。

①必要な検体量がELISA法よりも少量で、②夾雑物の影響が少なく非特異反応が低減された、③広いダイナミックレンジで高感度に測定できる、という特徴を持った測定法です。
1つのウェル内には最大10のスポットがあり、各スポットに異なる抗体が固相化されるため複数のバイオマーカーを同時に測定することができます。

測定可能項目と検量線範囲

一度の測定(Panel)でAnalytesに記載のサイトカインやケモカインなどを1~10種まで同時に測定することができます。ご希望の測定項目(Analytes)をご提示いただければこちらから最適なPanelをご提案いたします。

下表の検量線Rangeは一例で、測定キットのLot No.によって変動いたします。

表に記載のない項目も、本測定法またはELISA法にて受託可能な場合もあります。

ご不明点はお問い合わせください。

Panel Analytes / Range (pg/mL)

① Human Cytokines

30-plex

② Human Proinflammatory Panel IFN-γ / 0.37–938 IL-8 / 0.07–375
IL-1β / 0.05–375 IL-10 / 0.04–233
IL-2 / 0.09–938 IL-12p70 / 0.11–315
IL-4 / 0.02–158 IL-13 / 0.24–353
IL-6 / 0.06–488 TNF-α / 0.04–248
③ Human Cytokine Panel 1 GM-CSF / 0.16–750 IL-15 / 0.15–525
IL-1α / 0.09–278 IL-16 / 2.83–1870
IL-5 / 0.14–562 IL-17A / 0.31–3650
IL-7 / 0.12–563 TNF-β / 0.08–458
IL-12/IL-23p40 / 0.33–2250 VEGF-A / 1.12–562

④ Human Chemokine Panel 1

(Gen. B)

Eotaxin / 0.29–910 TARC / 0.11–481
IP-10 / 0.12–1240 MIP-1α / 0.05–403
MIP-1β / 0.09–390 MCP-1 / 0.16–247
MDC / 1.00–2930 MCP-4 / 0.05–0.518
Eotaxin-3 / 1.44–11100 -
⑤ Human Cytokine Panel 2 IL-1RA, IL-3, IL-9, IL-17A/F, IL-17B, IL-17C, IL-17D, TSLP
⑥ Human TH17 Panel IL-17A, IL-21, IL-22, IL-23, IL-27, IL-31, MIP-3α
⑦ Human Angiogenesis Panel VEGF-A, VEGF-C, VEGF-D, Flt-1/VEGFR-1, PlGF, FGF(basic), Tie-2
⑧ Human Vascular Injury Panel CRP, ICAM-1, SAA, VCAM-1
⑨ Aβ Peptide Panel Aβ38, Aβ40, Aβ42

<Luminex法との比較>

ECL法と同様に多項目同時測定が可能なマルチプレックスLuminex法とを比較すると、低濃度域でECL法の検出感度が高いことが分かります。

・Biological and Technical Variables Affecting Immunoassay Recovery of Cytokines from Human Serum and Simulated Vaginal Fluid: A Multicenter Study

 (Raina N. Fichorova. et.al., Anal Chem. , 2008 Jun 15;80(12):4741-51.)

・Multisite Comparison of High-Sensitivity Multiplex Cytokine Assays

 (Elizabeth Crabb Breen. et.al., Clin Vaccine Immunol. , 2011 Aug;18(8):1229-42.)

サンプル調製

必要量: ~100 µL程度

保存温度:-80℃以下

2.S-PLEXを用いた超高感度イムノアッセイ

ポイント:単項目測定(Singleplex)または最大で炎症性サイトカイン9項目の同時測定(Multiplex Panel)×超高感度測定が可能

               V-PLEXでは検出不能であった項目が検出可能に

原 理

基本的な原理はELISAと同様です。

まず、プレートに固相化したCapture抗体と試料中アナライトが結合し、そこにMSD社が開発したTURBO-BOOST標識抗体が結合します。

次に、TURBO-TAGを添加してTURBO-BOOST抗体に結合させます。この結合したTURBO-TAGが電気化学発光のラベルとなります。

プレート底面の電極上で電気化学的刺激を起こし、TURBO-TAGを発光させます。発光シグナルをカウントし、検量線から濃度を算出します。

Multiplex Panelでは96well plateの1穴ずつにさらに10のスポットがあり、それぞれ異なるキャプチャー抗体が固相化されており、各スポットで同様の反応が起こります。

<本技術を用いた参考文献>

Poorbaugh, Josh, et al. "Measurement of IL-21 in human serum and plasma using ultrasensitive MSD S-PLEX® and Quanterix SiMoA methodologies." Journal of immunological methods 466 (2019): 9-16.

Georlette, Daphne, et al. "Detection of fg/mL Levels of IL-2, IL-4, IL-6, IL-10, and IL-17A in Serum, Plasma, and Supernatant of Established Cell Models." (2017): 61-6.

測定可能項目

Singleplex

Analyte Serum EDTA Plasma
Range (fg/mL) % detected Range (fg/mL) % detected
G-CSF* 7,300-51,000 100  7,300-33,000 100
GM-CSF ND-35 93  6.4-39 100
IFN-α2a ND-69 93  ND-68 90
IFN-β* ND-940 72  ND-320 67
IL-1β 32-1,100 100 26-610 100
IL-2 57-560 100  74-290 100
IL-3 6.5-50 100 6.2-44 100
IL-4 2.1-37 100  0.4-9.4 90
IL-5 61-9,200 100  310-3,200 100
IL-9 27-1,300 100 260-1,100 100
IL-10 73-870 100  76-380 100
IL-12p70 33-260 100  30-88 100
IL-13 ND-150 58  ND-170 73
IL-17A 130-1,900 100  170-1,900 100
IL-21 ND-99 88 ND-124 13
IL-22 61-4,300 100  67-430 100
TNF-β  12-68 100  11-46 100
TSLP  270-1,600 100  300-1,500 100

メーカーによる血清・血漿での測定値のRangeと検出率です。測定キットのLot No.により定量範囲が異なること、またサンプル状態が測定値に大きく影響することから、必ずしも上記のような定量値・検出率を保証するものではありません。

*:希釈測定後の換算値

Multiplex Panel

1度の測定で、以下のうち1~9項目を選択して同時測定可能

Analyte Serum (N=37) EDTA Plasma (N=17)
Range (fg/mL) % detected Range (fg/mL) % detected
IFN-γ 37 – 4,400 100 38 – 1,700 100
IL-1β ND – 9,300 49 ND – 5,900 41
IL-2 9 – 2,000 100 12 – 2,100 100
IL-4 ND – 1,100 92 ND – 950 94
IL-6 300 – 81,000 100 330 – 5,800 100
IL-10 36 – 2,500 100 77 – 2,500 100
IL-12p70 25 – 1,700 100 35 – 1,700 100
IL-17A 13 – 910 100 30 – 900 100
TNF-α 54 – 6,000 100 110 – 5,500 100

メーカーによる血清・血漿での測定値のRangeと検出率です。測定キットのLot No.により定量範囲が異なること、またサンプル状態が測定値に大きく影響することから、必ずしも上記のような定量値・検出率を保証するものではありません。

サンプル調製

必要量 :100 µL程度

保存温度:-80℃以下

 

測定機器

Quick Plex TM SQ120( Meso Scale Discovery社)

測定サンプル

ヒト血漿、ヒト血清など

その他につきましてはお問い合わせください。

価格

お問い合わせください

納期・納品物

検体受領後 1カ月程度

問い合わせ

リーフレット

マルチイムノアッセイ(566.82 KB)

S-PLEX(サイトカイン超高感度測定)(816.52 KB)

S-PLEX Multiplex(750.04 KB)