次世代シーケンス(NGS)受託解析サービス
次世代シーケンス(NGS)装置を用いて、RNAの網羅的な発現解析(RNA-seq)や、全ゲノムシーケンス(WGS)、全エクソームシーケンス(WES)、各種ターゲットシーケンスなど、様々な解析サービスをご提供しております。
ご要望の測定依頼に合わせ、最適なシーケンス条件でのNGS解析をご提案いたします。
次世代シーケンス(NGS)解析とは
従来のサンガー法とは異なり、次世代シーケンサーは、1回のランで数千万~数十億bpの塩基配列情報を得ることができる高性能かつハイスループットな技術です。コストパフォーマンスにも優れ、短いゲノム配列を大量に読むことによって、より信頼度の高いデータを得ることができます。
NGS解析全体の流れ
NGSの作業は基本的に4つの工程で構成されています。
①サンプルから核酸(DNA/RNA)を抽出する工程
②シーケンスプラットフォームに持っていくために核酸を加工するライブラリー調製工程
③塩基配列を解読するシーケンス工程
④得られた塩基配列を解析用フォーマットに変換し、データベースを照合する解析工程
KPSLのNGS解析の特徴
・1サンプル から受付いたします
RNA-seqについては1サンプルからでも解析を受付しております。一度に全サンプルの解析を依頼するのは心配…という方は、まずは小規模の解析から始めて、結果を確認してから解析本数をスケールアップするといったことも可能です。
・微量サンプルも解析いたします
希少なサンプルなど、規定核酸量を送付できない場合についてもお気軽にご相談下さい。特にRNA-seqではトータルRNA 5ng程度で解析できた実績がございます。
・前処理から解析まで一貫してサポート
生データをお返しするだけではなく、核酸の品質確認レポートや、シーケンスRUN情報、測定データにおいてはアノテーション情報の付加、GO解析・パスウェイ解析など充実したバイオインフォマティクス解析を行います。
受託サービス紹介
① ヒト全ゲノムシーケンス( WGS : Whole Genome Sequence )
- ヒト遺伝子配列を網羅的に解析するため、遺伝情報の全体像を把握することが可能です。
- GCバイアスを最小限にした酵素法による断片化を行うことで均一なシーケンス結果を得やすいライブラリーキットを採用しております。
- QIAGEN CLC Genomics Workbenchを用いた解析対応も可能です。
材 料 | ヒトの細胞、組織、血液、抽出済みゲノムDNAなど |
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必要量 | ゲノムDNA:1 µg以上(濃度 20 ng/µL以上、液量 20 µL以上) |
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データ量 | 90 Gb相当/検体 |
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納品物 | 解析レポート、USBメモリ(FASTQファイル) |
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納 期 | 検体受領後 2カ月程度 (状況により変動することがあります) |
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② ヒト全エクソーム解析(WES:Whole Exome Sequence)
- ヒト遺伝子内のタンパク質翻訳領域(エクソン領域)のみをターゲットとしてシーケンスを行います。エクソン領域はヒト遺伝子全体の1%~2%程度ではありますが、その領域における遺伝子異常は、疾患との関係性が非常に高いことが知られています。
- シーケンスで得られた塩基配列をリファレンスゲノム配列と照合して、エクソン上の変異(SNV(SNP)/InDel)を検出し、各種アノテーション情報を付与して結果をお返しいたします。
- 増幅プライマー、キャプチャープローブが最適化されたハイブリキャプチャー法を用いるキットを採用しており、均一性の高いシーケンス結果を得ることが可能です。
材 料 | ヒトの細胞、組織、血液、抽出済みゲノムDNAなど |
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必要量 | ゲノムDNA:1 µg以上(濃度 20 ng/µL以上、液量 20 µL以上) |
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納品物 | 解析レポート、USBメモリ(FASTQファイル) |
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納 期 | 検体受領後 2カ月程度 (状況により変動することがあります) |
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③ 各種ターゲットシーケンス解析
ヒト遺伝子内における特定の遺伝子領域のみにフォーカスしてシーケンスを行います。各種測定サンプルに最適化されたパネルの選択、分子バーコード技術を用いた正確性の高いシーケンスを実現しております。
ご要望に合わせたカスタムデザインにも対応いたします。既存パネルに新たな対象領域を追加することも可能です。
材 料 | 血液、組織、細胞、FFPE、cfDNA(血漿、血清) |
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必要量 | ゲノムDNA:200 ng以上(濃度 10 ng/µL以上、液量 20 µL以上) |
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納品物 | 解析レポート、USBメモリ(FASTQファイル) |
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納 期 | 検体受領後 2カ月程度 (納期は状況により変動することがあります) |
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④ circulating tumor DNA(ctDNA)解析
ctDNAについて
がん患者の血液には正常細胞由来だけでなく腫瘍細胞由来のcell free DNAが微量に存在しており、これをcirculating tumor DNA(ctDNA)と呼びます。
ctDNAの変異の解析は分子標的治療薬の効果予測や薬剤耐性のモニタリングなどに有用な指標とされており、臨床有用性の早期確立と臨床検査としての実用化に期待が寄せられています。
ctDNAの解析手法
血中cfDNA量はごく微量であること、さらに正常細胞由来のDNAもある中から腫瘍由来の変異を検出しなければいけないことから、ctDNAの解析は高感度に精度よく測定する技術が求められます。これまではPNA-LNA-Clamp法といった変異特異的PCRやデジタルPCRといった手法が使われてきました。特にデジタルPCRをベースとしてフローサイトで検出するBEAMing法は、ctDNAを高感度に測定できる一つの手法です。
最近は次世代シーケンサー(NGS)の精度向上と分子バーコード技術開発により、NGSによるctDNA解析が主流となりつつあり、多くの企業がctDNA解析のための試薬や測定サービスを展開しています。
ctDNAの解析サービス
KPSLではRoche社が開発した「AVENIO ctDNA Analysis システム」を使用しております。分子バーコードとin silicoでのエラー抑制技術を組み合わせた統合デジタルエラー抑制(iDES)戦略による優れた分析性能が特徴です。後期の固形腫瘍(肺がん、大腸がんなど)の患者を主なターゲットとし、血漿検体(リキッドバイオプシー)から4種類の遺伝子変異(SNV, Indel, CNV, Fusion)を調べることができます。
材 料 | 血漿(ctDNA解析専用採血管の使用を推奨) |
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必要量 | 4 mL |
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納品物 | 解析レポート |
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納 期 | 検体受領後2カ月程度 (状況により変動することがあります) |
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⑤ アンプリコンシーケンス解析(腸内細菌叢解析)
近年、腸内細菌叢と疾患の関係についての研究が急速に進展し、消化器疾患をはじめ、肥満、糖尿病、アトピー、アレルギーなどの免疫疾患、さらには自閉症やうつ病など精神疾患にいたるまで様々な報告が出てきました。KPSLではNGSによるアンプリコンシークエンスを使った糞便(唾液・皮膚も可)からの腸内細菌叢解析を提供します(アンプリコンシーケンスは株式会社テクノスルガ・ラボにて実施します)。
分析サービスの特徴
・ 様々な動物種の糞便、ヒトの口腔内や皮膚検体のような幅広い検体に対応可
・ DNA抽出からデータ解析までを一式としたセット価格でご提供(1検体から申し込み可)
・ 細菌・アーキア16S rRNAは、テクノスルガ・ラボの保有する微生物データベースとRDP(Ribosomal database project)の2種類で解析
・ RNAの解析も可能(出検には条件があります。別途お問い合わせください。)
【解析仕様】
【納品内容・報告データ】
・ シーケンスデータ:fastaファイル、fastqファイル
・ 菌叢解析データ:csvファイル
・ 各種グラフファイル:htmlファイル
【詳細情報】
解析依頼先へのリンクとなります。サンプル準備などからご相談をお受けしますので、ご依頼の際はまず弊社までご連絡ください。
測定機器・施設
測定機器:iSeq 100、MiSeq、NextSeq 550、NovaSeq 6000
実施施設:試験内容に応じて弊社提携先施設にて実施します
価 格
お問い合わせください
問い合わせ・ご依頼
分析をご依頼の方はお問い合わせフォームより以下の情報をご連絡ください。
<サンプル情報>
サンプルの生物種(例:ヒト・マウス等)
サンプルの種類(例:細胞、凍結組織、培養液等)
サンプルの状態(例:細胞凍結ペレット、凍結組織片、可溶化バッファーに溶解等)
サンプル数
<ご希望の受託サービス>
RNA発現解析(RNA-seq)
ヒト全ゲノムシーケンス
ヒト全エクソーム解析
ctDNA解析
腸内細菌叢解析
<ご要望詳細>