測定対象物質
アミノ酸(45成分) | ||||
タウリン | α-アミノ-n-酪酸 | オルニチン | ホスフォエタノールアミン | バリン |
1-メチルヒスチジン | アスパラギン酸 | シスチン | ヒスチジン | ハイドロキシプロリン |
メチオニン | リジン | トレオニン | シスタチオニン | 3-メチルヒスチジン |
セリン | イソロイシン | トリプトファン | アスパラギン | ロイシン |
アンセリン | グルタミン酸 | チロシン | カルノシン | グルタミン |
β-アラニン | アルギニン | サルコシン | フェニルアラニン | アロイソロイシン |
α-アミノアジピン酸 | β-アミノイソ酪酸 | グリシルプロリン | プロリン | ホモシスチン |
ホモシトルリン | グリシン | γ-アミノ酪酸 | S-スルホシステイン | アラニン |
モノエタノールアミン | キヌレニン | シトルリン | ハイドロキシリジン | アルギノコハク酸 |
概要
各アミノ酸を定量することにより、タンパク質代謝の異常を推定することができます。
ヒト生体内のアミノ酸は、40種余り存在します。主に、アミノ酸は、タンパク質合成材料、エネルギー源、核酸・塩基・神経伝達物質・ホルモンなどの生合成の材料、タンパク異化過程の中間代謝産物として知られています。
血漿中アミノ酸濃度は食事の影響を受けるため、採血は早朝空腹時に行います。一般に食後に増加し、特に高タンパク食を摂取し続けると、メチオニン,フェニルアラニン,チロシン,イソロイシン,ロイシン,バリンなどが上昇します。飢餓状態や低タンパク状態が続くと、アラニン,グルタミン,イソロイシン,ロイシン,バリン,トリプトファンなどが低下します。また、運動によりアラニンは増加しオルニチンは低下します。一般に、小児では筋肉などの組織合成に動員されるため、血漿中アミノ酸濃度は低値を示します。健常成人では、女性の方がやや高値をとるといわれています。
一部のアミノ酸は尿中にも排泄され、 健常人では尿中に1日約80~200mg/dLのアミノ酸が排泄されています。尿中アミノ酸の測定は、再吸収機能、先天性アミノ酸代謝異常症、肝障害の重傷度、栄養状態の把握などに有用です。
原理
Kariosアミノ酸分析キットを用いて、同時に45成分のアミノ酸を分析します。
アミノ酸はAccQ-Tag Ultra “3X” 試薬による誘導体化後、質量分析(LC-MS/MS) による定量分析を行います。LCで分離された成分は、質量分析装置に入りイオン化されます。初めに目的のプレカーサイオンを選択し、続くコリジョンセルで不活性化ガスと衝突させ断片化します。さらに、プロダクトイオンを選択することにより、高選択性・高感度の定量分析が可能になります。このように、LC分離、分子量分離、部分構造分離の3つのフィルターにより、高い特異度(目的の分子だけを正確に測定する)で分析しています。
測定機器
タンデム四重極質量分析計 Xevo TQ-XS(Waters)
定量範囲
・アラニン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、フェニルアラニン、バリン、セリン、チロシン、トレオニン、グルタミン:5~4000 µM
・シスチン:2.5~500 µM
・上記アミノ酸以外:5~1000 µM
※ハイドロキシプロリン、シスタチオニン、アルギノコハク酸については半定量となります
測定サンプル
・血漿
・尿
※ヒト・動物ともに可能です。
※最低検体数は20検体です。
※そのほかのサンプルについてはお問い合わせください。
サンプル調製
<血漿>
採血管:EDTA-Na, K およびヘパリン血漿(それ以外はお問い合わせください)
処理 :採血後すみやかに攪拌し、2000~3000 rpm,4℃,10~20 min遠心します。
上清をマイクロチューブに移し、速やかにドライアイスまたは-80℃フリーザーにて凍結します。
必要量: 200 µL以上
保存 : -80℃
<尿>
処理 :採尿後、マイクロチューブに移し、速やかにドライアイスまたは-80℃フリーザーにて凍結します。
早朝2番尿による測定をおすすめします。
必要量: 200 µL以上
保存 : -80℃
納期
検体受領より1か月
納品物
・定量値一覧:電子データ (Excel)
※別途報告書が必要な場合は、お問い合わせください。