測定対象物質
胆汁酸12種(げっ歯類は14種)
概要
胆汁酸は哺乳類胆汁に広範に認められるステロイド誘導体で、主に消化管内で食物脂肪とミセルの形成を促進し、吸収を促進する働きがあります。
肝臓で生合成されたものを一次胆汁酸といい、腸管で微生物による変換を受けたものを二次胆汁酸と言います。また、胆汁酸はグリシンやタウリンと結び付いて抱合胆汁酸を形成します。
ヒトでは一次胆汁酸であるコール酸、ケノデオキシコール酸、二次胆汁酸であるデオキシコール酸が代表的です。
胆汁酸は肝臓の疾病によって血液中に放出されるため、肝疾患の検査に用いられることがあります。また、胆汁酸はコレステロールからの代謝物であることから、肝疾患だけでなく、胆道疾病など様々な疾患のマーカーとなり得る可能性が考えられています。
原理
トリプルQ型質量分析装置を用いたMRM (Multiple Reaction Monitoring)による胆汁酸定量分析を行っています。
Q1で目的のプレカーサイオンを選択後、続くコリジョンセルで不活性化ガスと衝突させ断片化し、さらにQ3でプロダクトイオンを選択します。
MRMにより、一度に12種の胆汁酸の高選択性・高感度な定量分析が可能になります。
測定機器・施設
測定機器:トリプルQ型質量分析装置 8050(島津製作所)
トリプルQ型質量分析装置 6470(Agilent Technologies社製)
実施施設:株式会社LSIメディエンスにて実施します。
測定サンプル
・血漿、血清
・肝臓
※最低検体数は30検体です。
※そのほかのサンプルについてはお問い合わせください。
サンプル調製
<血漿・血清>
処理 :採血後、直ちに遠心分離し上清をマイクロチューブに移します。速やかにドライアイス、または-80℃フリーザーにて凍結します。
マイクロチューブには略号、または番号を記入ください。
必要量:500 µL以上
保存 :-80℃
<組織>
処理 :組織摘出後、すみやかにチューブに移し、液体窒素につけ凍結させ、-80℃で保存ください。
チューブには略号、または番号を記入ください。
必要量:200 mg以上
保存 :-80℃
納期
検体受領より1カ月程度(サンプル数・材料などにより異なります。詳細はお問い合わせください。)
納品物
電子データ(Excel)を提出いたします。
定量値のみの報告となります。
別途報告書が必要な場合は、お問い合わせください。