ニコチンアミド類

測定対象物質

ニコチンアミド(NAM)、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)

概要

ニコチンアミド類とは

近年、注目を集めている「美容・若返り・アンチエイジング」に関する物質です。ビタミンの一種であり、ミトコンドリアや遺伝子を正常に保つサーチュインの合成に関わります。

ビタミンB群の一つであるNAMは、NAD生合成サルベージ経路の律速酵素であるNAMPTによりNMNに変換され、さらにNMNはNMNATによりNADに変換されます。NADはサーチュインの基質として働きます。サーチュインは種々の脱アセチル化反応を触媒し、その結果、ミトコンドリアや遺伝子を正常な状態に保つことが知られています。これら一連の化合物及び関連する代謝酵素は、糖尿病・認知症・がん等の老化関連疾患への関与が報告されており、バイオマーカーとしてだけではなく、創薬のターゲットとしても注目されています。

原理

トリプルQ型質量分析装置を用いたMRM (Multiple Reaction Monitoring)による定量分析を行っています。

Q1で目的のプレカーサイオンを選択し、続くコリジョンセルで不活性化ガスと衝突させ断片化します。さらにQ3でプロダクトイオンを選択することにより、高選択性・高感度の定量分析が可能になります。

分析例

投与前と投与後の検体を質量分析装置で分析し、NMN・NAM・NADを定量することで、投与前後のニコチンアミド類の挙動を掴むことができます。

測定機器・施設

測定機器:トリプルQ型質量分析装置 6470 (Agilent Technologies社製)

実施施設:株式会社LSIメディエンスにて実施します。

測定サンプル

・血漿、血清

・臓器(肝臓・腎臓)

 ※ ヒト・動物ともに可能です。

 ※ そのほかのサンプルについてはお問い合わせください。

 ※ 最低検体数は30検体です。

 ※ 血漿・血清はNAM, NMNのみの分析となります。

 ※ 通常の(サプリメントを投与していない)血漿・血清中のNMNは微量であるため検出できない可能性があります。

サンプル調製

<血清・血漿>

 処理: 通常の採血後、遠心を行い、上清をチューブへ分取し、-80 ℃で保管してください。

 必要量:500 µL

 保存:  -80 ℃

 

<臓器>

 処理: 採取後、1.5 mLエッペンチューブ等の容器に入れ、-80 ℃で保管してください。

 必要量:200 mg

 保存:  -80 ℃

 

※ チューブには識別コード(数字・略号等)を記載してください。

※ サンプルの一覧表をご準備ください。

定量範囲

NAM:1.00~500 ng/mL
NMN:1.00~500 ng/mL
NAD:5.00~500 ng/mL

納期

検体受領より1カ月

納品物

・定量値一覧:電子データ (Excel)

 ※ 別途報告書が必要な場合は、お問い合わせください。

リーフレット

ニコチンアミド類(687.79 KB)