TMAO

測定対象物質

トリメチルアミン-N-オキシド(TMAO)

概要

ホスファチジルコリンが腸内細菌叢により代謝され生成したトリメチルアミンが、さらに肝臓内で酸化されたものがトリメチルアミン-N-オキシド(TMAO)です。米国・W. H. Wilson Tang氏の研究により、TMAO濃度上昇が脳梗塞および心疾患リスクを増加させることが明らかになりました。

TMAOは分子量が小さく、ELISAなどの抗体抗原反応での検出が困難なため、高分解能型質量分析装置(Q-TOF)により検出されます。

(参考文献)

1. Gut Microbial Metabolite TMAO Enhances Platelet Hyperreactivity and Thrombosis Risk.
     Zhu W. et. al. Cell. 2016 Mar 24;165(1):111-24.

2. Intestinal microbial metabolism of phosphatidylcholine and cardiovascular risk.
     Tang WH. et. al. N Engl J Med. 2013 Apr 25;368(17):1575-84.

原理

QTOF-MSは、高選択性を持つ四重極と高分解能に優れたTOFを組み合わることにより、MS/MS測定が可能な質量分析装置です。

MS/MS測定では、QTOF-MSの四重極で目的のイオンを選択し、コリジョンセルで不活性化ガスと衝突させることにより断片化します。

断片化イオンがフライトチューブ内を飛行することで分解能が増し、TMAOのような小さな分子も測定が可能になります。

測定機器・施設

測定機器:Q-TOF型質量分析装置6545(Agilent Technologies社製 )

実施施設:株式会社LSIメディエンスにて実施します。

バリデーション結果

定量範囲

0.0500~50.0 µg/mL

測定サンプル

・血漿、血清

 ※ヒト・動物ともに可能です。

 ※最低検体数は30検体です。

 ※そのほかのサンプルについてはお問い合わせください。

サンプル調製

処理     :採血後、直ちに遠心分離し上清をマイクロチューブに移します。速やかにドライアイス、または-80℃フリーザーにて凍結します。

       マイクロチューブには略号、または番号を記入ください。

必要量 :500 µL以上

保存  :-80℃

納期

検体受領より1カ月

納品物

電子データ(Excel)を提出いたします。

定量値のみの報告となります。

別途報告書が必要な場合は、お問い合わせください。

リーフレット

TMAO(503.41 KB)