新規ターゲットプロテオミクス:iMPAQT Version 2
概 要
iMPAQT (in vitro proteome-assisted MRM for Protein Absolute QuanTification) は、東京医科歯科大学の中山敬一教授および新潟大学の松本雅記教授らによって開発された定量プロテオミクス技術です 1) 。本技術は、約18,000種類のヒト組換えタンパク質に対するLC-MS/MSメソッドデータベースを基盤としており、数百種類のタンパク質の同時定量が可能です。本技術の詳細についてはこちらのページ をご覧ください。
iMPAQTでは同位体標識したペプチドをサンプルと共に分析することで、ターゲットの定量を行います。しかし、合成ペプチドは比較的高価であるため、現状、受託分析メニューとしては約350種類の同時定量にとどまっていました。この課題に対処するため、新たにペプチドコンカテマーの技術を導入しました。ペプチドコンカテマーとは、測定対象となる複数のペプチドを連結させた人工タンパク質であり、同位体標識したペプチドコンカテマーをトリプシン消化することで、大量の同位体標識ペプチドを一度に調製することが可能です。
この度、iMPAQTとペプチドコンカテマー技術を融合させた「iMPAQT Version 2」をリリースいたしました。従来のiMPAQTよりもはるかにより多い、1000種類以上のタンパク質を対象とした解析が可能です。
新しいiMPAQTをぜひ皆様の研究にお役立てください。
測定可能項目
・ヒト・マウス主要代謝酵素(約1100種)
従来の測定メニュー「ヒト主要代謝酵素(約340種) 」を拡張した新メニューです。約1100種類の代謝酵素について、定量分析が可能です。ヒトとマウスの共通配列をターゲットペプチドに選んであるため、マウスサンプルにも適応することができます。
本技術のアプリケーション例としてトランスジェニックマウスの解析結果がlife science alliance誌にて発表されています。詳細はこちらのページ をご覧ください。
使用機器
QTRAP®6500 (SCIEX社)
ACQUITY UPLC Premier (Waters社)
測定サンプル
ヒト・マウスの培養細胞、凍結組織など
・培養細胞は1×10^6個程度をPBSで洗浄したものをペレットにし、-80℃以下で凍結保存してください。
・凍結組織は30 mg ~ 50 mg (5 mm×5 mm程度) にカットしたものをマイクロチューブに入れ-80℃以下で凍結保存してください。
その他のサンプルにつきましてはお問い合わせください。
価 格
お問い合わせください。
納 期
検体受領後 4~8週間程度